花の八ヶ岳8

(承前)
 横岳の岩稜地帯を行くと、そこここに可憐な花々が見られます。
 オヤマノエンドウ(写真1)は、鮮やかな紫色で目を引き付けます。
 岩から下がったヒゲのようだというのでイワヒゲ(写真2)。これでも木です。八ヶ岳には萼が青いセイカイワヒゲと赤茶色の普通のイワヒゲ、そしてそれらの交配種(中間種)が混在しています。
 ツガザクラ(写真3)は、栂(ツガ)に似た葉で可憐な花を桜に喩えたのでしょう。花は壺状で桜に似てはいません。
 クモマナズナ(写真4)は高山性のアブラナ科の植物です。ちょっと地味ですが、良く見ると小さくてもアブラナ科、十字花の特徴を持っています。
 ミヤマキンバイは(写真5)は鮮やかな山吹色の花。山吹と同じバラ科、遠目にも目立つ花です。
 イワベンケイ(写真6)は海岸に咲くベンケイソウの仲間です。肉厚の葉に水分を蓄え、乾燥地帯でも花を咲かせます。

 横岳の岩場を抜けると花も幾分少なくなります。行く手にはこれから登る赤岳が、横に富士山をアクセントにしてそびえ立っています。
八ヶ岳最高峰の赤岳は2899m、最後の登りです。(あと一回です)

49oyamanoendou
50iwahige
51tugazakura
52kumomanazuna
53miyamakinbai
54iwabenkei55akadekefuji

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花の八ヶ岳7

(承前)
 山荘を出て登り着いた最初のピークが横岳です。ここからは、今まで横岳に隠されていた富士山が見えます(写真1)。雲海の上に頭を出し、歌の通りの富士山です。
 眼下には雲海が広がっており、奥秩父などの2500mを越すピークが頭を出しており、島のように見えます。雲海とはよく言ったものです。
 登山道脇にはクリーム色のツツジ、キバナシャクナゲが(写真3)。花期が早い花なので、今の時期が見頃でした。
 そしてお目当ての花、ツクモグサもありました(写真4)。オキナグサによく似た黄色い花で、花の後、オキナグサと同じく白い綿毛上の実を付けるので九十九髪の老婆にたとえてツクモグサだとか。オキナにも対比させているのでしょうね。
 しばらくは雲上のプロムナード、規模は小さいもののお花畑があちらこちらに広がり、目を楽しませてくれます(写真5)。
 行く手右方向には目指す赤岳、そして中岳、阿弥陀岳が岩肌を曝しています(写真6)。
 横岳の稜線は幾つかの小ピークに分かれていますが、その一つ。三叉峰(さんじゃほう)は佐久側からの登山道が登ってきています。
道標を入れて富士山を写してみました(写真7)。
(もう少し続きます)

42fuji
43unkai
48kibanashaku
44tukumo
45ohanabatake
46akanakaamida
47fuji

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花の八ヶ岳6

(承前)
夜明け前、物音に目を覚ますと、カイコ棚(部屋を上下2室に区切った宿泊場所)の上の人が、しきりに窓の外を写しています。
見ると、夜明け前の空に細い月が残っているではありませんか。早速カメラを取り出して写しましたが、窓ガラス越しでは上手く写りません。
身支度を調え、三脚を持って外に出ます。それで写したのが写真1です。
 この季節、4時半くらいに日の出となります。泊まり客のほとんどは外に出て御来光を拝みます。
その変化を写してみました(写真2)。
 日が出ると、反対側にある山々は赤く染まります。写真3は木曽御嶽、写真4は中央アルプスです。
 完全に日が昇ると、赤く染まっていた空は金色へとその色を変えていきます(写真5)。
 金色に輝く雲海も、下界にいたのでは決して目にする事の出来ない光景(写真6)、心ゆくまで眺めます。
 完全に日が昇れば空は蒼空となり、北アルプスの槍・穂高連峰がくっきりとその姿を現しました(写真7)。
 この日の朝は風が弱かったので寒く感じませんでしたが、気温は氷点下2度、薄氷が張り、地面には霜柱が立っていました(写真8)。
 下界の暑さからは想像できないでしょうけれど、高山はこれくらい冷え込む事もあります。
 さて、食事を済ませ、いよいよ横岳方面へ向かいます。(まだまだ続きます)

34tuki
35sunrise
36ontake
37chuua
38asa
39unkai

40yarihotaka
41simobasira

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花の八ヶ岳5

(承前)
硫黄岳山頂を後に、この日の宿泊地、硫黄岳山荘を目指して下ります(写真1)。
歩くその登山道に、イワヒバリが舞い降り、ひとしきり可愛らしい姿を見せてくれました(写真2)。
 硫黄岳から横岳一帯は、八ヶ岳でも高山植物の多い地域です。気が付けば、道脇には今回初めて目にするハクサンイチゲが(写真3)。
 更に行くと砂礫地となり、希少種であるウルップソウが咲いていました(写真4)。低木のミヤマヤナギも花を咲かせています(写真5)。
同じ砂礫地にはコマクサ(写真6)も。コマクサの方が花期が遅いので。ウルップソウが終わりかけるとコマクサが見頃、という組み合わせになります。
今回は、ウルップソウが見頃、コマクサは咲き始め、でした。
辿り着いた最低鞍部には硫黄岳山荘が建っています。西からの強風を避けるため、東に少し下った建て方をしています(写真7)。
小屋前で休んでいたら高山蝶、ミヤマシロチョウが舞い降りてきました(写真8)。
 この日は午後遅く霧が湧き、残念ながら夕陽は見られませんでした。あきらめて翌日の晴天を期待して床につきます。(まだ続きます)

26onemiti
27iwahibari
28hakusanitige
29uruppu
30miyamayanagi
31komakusa
32sansou33miyamasirochou

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花の八ヶ岳4

(承前)
花を見ながら登山道を辿っていきます。
見落としてしまいそうなくらい小さな花、ミネズオウを見つけました(写真1)。直径6ミリくらいの小さな花です。
更にその側にはコメバツガザクラが(写真2)。葉が米に似ているツガザクラ、の意です。(ツガザクラはここまでは見かけませんでしたが、翌日見つけたので後日アップします)
 登山道脇の様子です(写真3)。岩塊が積み重なり、その間にイワウメが咲いています。
 右手には横岳が岩肌を見せていました(写真4)。
 山頂近くの草付きに、鮮やかな赤紫。近付いてみればミヤマシオガマです(写真5)。この花は「葉まで見栄えのする」というのを「浜で...」にかけて、「塩釜」というのだそうです。
 ようやく辿り着いた硫黄岳山頂は小広く、パノラマが広がります(写真6)。左から横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳。遠くの山並みは南アルプスです。
 硫黄岳は火山で、火口壁が垂直に落ち込んでいます。そこを覗き込めば、そんな場所にも高山植物は花を咲かせていました(写真7)。
 硫黄岳の山頂はなだらかで特徴がないので、霧が出ると方向を誤りやすい場所です。そのため大きなケルン(石積み)が幾つも立ち、方向を示しています(写真8)。
(続きます)

18minezuou
19komebatuga
20iwaume
21yokodake
22miyamasiogama
23panorama
24kakouheki
25sanchou

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花の八ヶ岳3

(承前)
赤岩の頭と呼ばれる場所で昼食にしました。ここは硫黄岳(写真1)を目の前に、北には北八ツ(写真2)、更にその向こうには北アルプス槍・穂高連峰(写真3)を望める場所です。
 空を見れば太陽に日暈が掛かっていました(写真4)。これは上層にある、細かい氷の粒からできた雲(巻層雲)によるもの、この日の気圧配置からすると天気は良くなる傾向にあると言えます。
 昼食後、のんびりと硫黄岳に向かって歩き出します。ここからは花のプロムナード、コイワカガミが道の両側に咲いています(写真5)。花も大きく、見応えがあります。
 右手には明日辿るはずの稜線が(写真6)。左から赤岳、中岳、阿弥陀岳。赤岳の山頂は雲の中でした。
 ふと気が付けば岩場に差し掛かり、岩の間にはその名もイワウメが(写真7)。岩に咲く梅ににた花、ということです。草に見えますがこれでも木です。
花時期が比較的早いこの花、7月下旬の本格夏山シーズンにはもう見られません。
(続きます)

11ioudake
12kitayatu
13yarihotaka
14higasa
15koiwakagami
16akanakaamida

17iwaume

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花の八ヶ岳2

(承前)
赤岳鉱泉で水を補給したなら、硫黄岳へと向かう登山道へ。樹林の中、ジグザグの登山道が続きます。
途中、僅かに展望が開け、目指す稜線が見えました(写真1)。
 そこには日が差し込むためか、色鮮やかなイワカガミの花が咲いていました(写真2)。葉の大きさから見て、コイワカガミと思われます。
また、オサバグサ(写真3)も見つけました。八ヶ岳には比較的多いこの花、機織りのオサに葉が似ているからこの名が付きましたが、他の山域では見た事がありません。
 更にジグザク道を登っていくと、タケシマラン(写真4)が。ランとはいえ、ユリ科です。ぶら下がって咲く花は地味ですが、秋になると真っ赤な実を付け目立つようになります。
 地道に足を運んで行くとハイマツが出て来て森林限界に。もう高い木はありません。ハイマツには松ぼっくりが付いていました(写真5)。この実はホシガラスの好物で、岩の上に食べかすが散らばっていたらこの鳥の仕業です。
 日差しを思う存分浴びられる場所に咲くコイワカガミは色鮮やかです(写真6)。
 展望の良い場所で休憩、昼食にしました。(続きます) 

06ryosen
07iwakagami
08osaba
09takesima
10haimatu1koiwakagami

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花の八ヶ岳1

 ここのところ忙しくてブログの更新どころか写真撮影にも行けなかったのですが、ようやく休みが取れまして、梅雨の晴れ間の八ヶ岳へ花を見に行ってまいりました。
 この季節の八ヶ岳は高山植物の開花シーズン初めにあたります。降雪量が少ないので北アルプスに比べ、開花時期が半月以上早いようです。
 八ヶ岳は中信国定公園にあり、南北に長い山塊を形成、最高峰赤岳は2899mと、森林限界を抜けた標高で、規模こそ北アルプスに及ばないものの、花の種類や特産種・希少種の多さでは決して引けを取りません。首都圏から1泊で楽しめるのも魅力の山域です。
 今回は、信州側、美濃戸から硫黄岳、横岳、赤岳を回る周回コース、八ヶ岳のハイライトコースを歩いてきました。

 まず美濃戸に車を置いて歩き出します。道脇をふと見ると、腐生殖物(自分で光合成をせず、腐った動植物から栄養をもらう植物)であるギンリョウソウを見つけました(写真1)。
 しばらくは林道を行きます。1時間弱で林道終点ですが、手前で小鳥を見つけました。望遠で見るとウソです(写真2)。赤い喉がきれいです。ウソとは口笛の事で、鳴き声が口笛のようなのでウソというのだとか。「うそぶく」のうそと同じです。
 登山道は柳川北沢に沿って行きます。梅雨の最中、豊富な水量のきれいな流れが見られます(写真3)。
 道脇に咲くミヤマカラマツ(写真4)。地味な花ですが、良く見ると繊細な造りをしています。
 そして更に沢沿いに溯っていくと、目指す八ヶ岳の山腹が見えてきます。二つの岩峰、大同心と小同心が特徴的な横岳です(写真5)。
 歩き出して2時間、赤岳鉱泉に到着。ここで休憩、水を補給します。沢から引いている水は冷たく美味しいです。ここは宿泊でき、夏場は入浴も出来ます。
 この後、更に高みを目指します。(続く)
 
01ginryo
02uso
02sawa
03miyamakarama
04daidosin
05kousen

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新緑の西沢渓谷

山梨県峡東地域奥に西沢渓谷があります。
秩父多摩甲斐国立公園に属し、遊歩道が整備されています。
紅葉の頃は人でごった返しますが、新緑の頃は人も少なく、ゆっくりと渓谷美を楽しめます。

入口には大きな無料駐車場があります。更に奥には有料の駐車場もあり、より歩行時間が稼げます。

歩き出して約30分、大久保の滝が対岸に見えてきます(写真1)。そこから階段を登り、少し下ると前半のハイライト、三重の滝です(写真2)。
その名の通り、3重の滝が流れ落ちており、展望台も整備されています。
沢沿いに上流へ向かいます。6月は新緑の季節、青葉が目に心地よいコースです。水量も多く、音を立てて流れる渓谷は涼しげです(写真3)。
中程で竜神の滝(写真4)を見ることが出来ます。深い淵をもったこの滝、龍神が住むと思われたのですね。
更に貞泉の滝や恋糸の滝、カエル岩、人面洞などを楽しみ、辿り着いた七ツ釜五段の滝は迫力です。
それこそ全部を収めるのは至難で、下部(写真5)、上部(写真6)と分けて写しました。
そこから急登を15分、山腹を巡る帰路に辿り着きます。ベンチやトイレもあり、眺めもいいので休憩する人が多い場所です。
そこからはほぼ水平(僅かに下り)の遊歩道を辿り、出発点へ戻ることに。
緑の木陰を歩きつつ、ところどころで展望が開けます。
5月中ならシャクナゲ、6月はヤマツツジやヒカゲツツジが見られます。写真7はヤマツツジ。
1周4,5時間ののんびりハイクです。

01ookubo
02mie
03sawa
04ryuujin

05godan
06godan
07yamatutuji

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上高地の花

北穂へ行ってくる途中で出会った花々をご紹介します
 

1001hasiridokoro
ハシリドコロ
山菜採りで間違えてこの葉を食べると幻覚を起こして走り回るからこの名が付いたのだとか。
 
 
  
1002tbmomoto
ツバメオモト
万年青の仲間ではありませんが、葉が似ているので万年青の名を付けられたそうです。
 
 
 
 
 

 
1003minezakura
ミネザクラ
上高地は標高1500m、やっと春が来たところです。ですので下界で終わったはずの桜がまだ咲いていました。


1004sankayou
サンカヨウ
白い可憐な花、微かな良い香り。春の上高地で好きな花の一つです。

 

1005enreisou
エンレイソウ
ユリ科の花で、3の倍数の花弁数に特徴があります。同じく3枚の大きな葉は花が終わった後も残るのでよく目立ちます。

 
1006himeitige
ヒメイチゲ
キンポウゲ科の一輪草。花の大きさ1センチくらいと、その名の通りとても小さな花です。


 
1007iwanasi
イワナシ。
谷川岳の山麓で見たことがありましたが、上高地では初めて見つけました。岩の上に生え、秋には食べられる実が成るので岩梨だとか。


1008ezomurasaki
エゾムラサキ
日本産のワスレナグサです。春の林床に淡い青紫の可愛らしい花を沢山付けます。大好きな花です。
 
 
 
1009shakunage
シャクナゲ。
行きにはまだ蕾だったのに、帰りにはもう咲いていました。花を近くで確認できないので正確には分かりませんが、アヅマシャクナゲだと思います。
 
 
1010nirinso
ニリンソウ。
一つの茎に二つ(3つのことも)の花を付けるのでこの名があります。5月下旬から6月上旬の上高地は至る所にこの花が。猿が好んでこの葉を食べているところを見かけました。
近縁のトリカブトは猛毒なので注意が必要です。

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